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図書館(室)カレンダー

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中央図書館、各読書施設の休館日が表示されます。
※2024年3月31日まで
 

【中央図書館の開館時間】
午前9時30分~午後5時まで
 水・金曜日は1階第1フロア・第2フロアのみ午後7時まで
 ※水・金曜日が祝日開館と重なる場合は午後5時まで
*公民館・コミュニティセンター図書室の開室時間はこちらをご覧ください。

 

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「もっと前へ」な一冊

2020(令和2)年2月、市原市立中央図書館はTwitterを始めました。
しかし、コロナ禍のため、イベントの延期、休館、休館の延長といったツイートしかできませんでした。
5月28日(木曜日)に開館した後も新型コロナウイルス感染症の影響は続いています。この難局を乗り切るために、市民の皆さんを励ますことができるような前向きなツイートをしたいと考えました。
図書館には「本」があります。
小出市長をはじめ、市原市で頑張る皆さんの『「もっと前へ」な一冊』を紹介してもらい、市民の皆さんに読んでもらって、少しでも前向きな気持ちになってもらいたいと考え、このページに掲載そしてTwitterでツイートをしていきます。

2020(令和2)年10月2日 市原市立中央図書館長
 

第16回 杉田由加里 千葉大学大学院看護学研究院准教授


在宅ケアのはぐくむ力』秋山正子∥著(医学書院 2012)

この本の著者である秋山正子さんに初めてお会いしたのは2010年の夏でした。札幌から夕張への移動の中、約1時間に渡って秋山さんの「看護」に対する思いをお聞きし、「ナイチンゲールを日本人にしたらこのような方かしら」と思ったのが第一印象でした。その9年後の2019年には、日本赤十字社名誉総裁の雅子皇后陛下よりフローレンス・ナイチンゲール記章が授与されました。

秋山さんは、「在宅ケアの不思議な力」(医学書院、2010年)、「在宅ケアのつながる力」(医学書院、2011年)に続いて、2012年に本書を執筆されています。皆さんが看護師を想像すると、病院やクリニックで働いている姿をイメージするのではないでしょうか。本書は在宅をベースに活躍している看護師を紹介し、看護職の多様性・可能性を教えてくれます。

看護職は、病院・行政機関・訪問看護ステーション・老人保健施設など、様々な場で働いています。看護職を目指す方が増えることを期待し、本書をご紹介します。
 

第15回 前田麻里さん(アーティスト)



「月夜とめがね」小川未明∥著(赤い鳥の会∥編『赤い鳥名作童話 3 月夜とめがね・ 黒い人と赤いそり』(小峰書店 1982)所収)

物語は、一人で暮らすおばあさんが、遠方の親戚のことや、離れて暮らしている孫娘のことなどを空想しているところから始まります。なんだか、なかなか会えない大切な人を思いながら暮らす今の私達と重なります。

子どもの頃、この物語の不思議な世界に魅了され、大人になってからは、「いちはらアート×ミックス」でも題材にしてきた宮沢賢治さんの作品と共に、機会あるごとに、絵に描いたり、小さな舞台を作ったり、個展会場でのトークショーで朗読したりと、様々な形で表現してきました。

前に向かうために、大人も子どもも本当に頑張り続けている今、この物語を読んだ後、月や星、野の花や小さな虫たち・・・そんな身近な自然をいつもよりほんの少しゆっくり、想像力を持って見つめる事ができたとき、物語の力、自然の力、そして想像する力で、疲れた心がほんの少し潤っているかもしれません。


※「月夜とめがね」は、著作権が消滅した作品等を公開しているインターネット上の電子図書館「青空文庫」でも読むことができます。https://www.aozora.gr.jp/cards/001475/card54404.html
 

第14回 忍澤成視 市原市教育委員会生涯学習部ふるさと文化課 主幹



『縄文人の知恵にいどむ』楠本政助∥著(ちくま少年図書館31 筑摩書房 1976)
 この本との出会いは、今から40年以上も前になる。中学2年生だった私は、偶然、その年の課題図書になっていた中から、表紙の漁具写真が印象的な本書を選び、読み始めた。普段、それほど読書好きでもなかった少年だったが、ページをめくるうち、著者の物事の捉え方、生き様にいつしか引き込まれ、一気に読破し、考古学とは、なんと魅力的な学問かを知り、考古学者になる決意をした。大学や研究機関にも属さない、いわゆる在野の研究者が、行商という生活の傍ら、時間を工面して考古学の研究を地道に進め、やがて「実験考古学」という独自のジャンルを切り拓き、考古学会に認められる研究論文を発表するまでになっていく。「学問への情熱」、強い意志さえ失わなければ、いつか目標は達成されるということが、著者の優しい筆致も相まって、無垢な少年の心に否応なしに突き刺さった。

 その後、私は本当に考古学を志し大学・大学院へと進学、縁あって市原市に奉職してからも遺跡調査などに長年携わり、夢が実現したかたちだ。研究分野は、考古学と生物学をコラボさせた、縄文から古墳時代の「貝」にまつわるもので、独自の道を切り拓いている最中だ。時折、この本を書棚から取り出しては、遠い記憶と不思議な縁を感じ、疲れた心にエネルギーを注入している。


※ 忍澤成視(おしざわなるみ)主幹(博物館準備室長担当)は、
シリーズ「遺跡を学ぶ」『房総の縄文大貝塚 西広貝塚』(新泉社 2011)の著者でもあります。写真や図版も多く、わかりやすく書かれています。
 

第13回 松本靖彦さん(南市原里山連合代表)


『安岡正篤 心に残る言葉』藤尾秀昭∥著(致知出版社 2011)

 明治生まれの父は小学卒の学歴も持たぬ身で苦学し旧制高校の教員資格まで取得した。その父の自慢が安岡正篤師の金鶏学院最後の直弟子として立派な箱に収められた卒業証書を持っていたことである。

 折に触れて安岡先生の本を読み言葉に触れてきた。里山の活動もコロナ禍の中で様々な制約を受けなければならなかった。書斎に籠り安岡先生の言葉に触れると改めて己の愚かしさに身が縮む。

 先生の言葉の中に「賢は賢なり愚は愚なりに一つのことを何十年と続ければものになるものだ」という教えがある。こんな言葉に励まされながら、日々の継続こそが大切と土の中に向かうのである。安岡先生の言葉とともに励まされた言葉がある。昨年の夏コロナの影響で各種の行事が軒並み中止になった。私たち小湊鉄道沿線のボランテイア最大の行事である「菜の花プロジェクト」も中止が検討された。そんな中で観光振興課の若い職員が「種を蒔かないと花が咲きません」といって何とか工夫して種まきを実行し今年の春も多くの人に菜の花を楽しんで頂いた。「種を蒔かないと花は咲かない」安岡先生の言葉に匹敵するくらい心に響いた言葉である。

 

第12回 石川晋平 小湊鐵道株式会社代表取締役社長



「かこさとし 名著紹介」


小湊鐵道の石川です。

科学絵本という新ジャンルをつくり、数々の秀作を通じ多くの子ど
もたちに影響を与え続け2017に他界された かこさとしさん。わたしは『未来のだるまちゃんへ』(文春文庫 2016)を紹介したいです。

戦闘機乗りを夢見た少年時代、目が悪くその夢が達成されず
、戦争に行かず残った命。かこさんは戦争に加担したという若い自分の決断への後悔から、そうした決断をしない子ども(未来)の手助けが、残された人間のせめてものやること と決め、その手段として絵本を選択されます。

「生きるということ
は、本当は、喜びです。」いつも励まされています。
 

第11回 小川起生(たつお) オープンロード合同会社代表



「今もなお売れ続けている名著中の名著」


オープンロード合同会社代表の小川起生(たつお)です。私が紹介する『「もっと前へ」な一冊』は、『人を動かす』(新装版)D・カーネギー(創元社 1999)です。

全ての悩みは元を辿れば人の悩みに行き着く。

人との関係をもっと良くしたいと考える人は多くいると思いますが、人との関係がもっと良くなるための大事なことをこの本は教えてくれます。

正しいだけでは人は納得しない。

相手の望みを察し、自分の望みを一致させることで相手自らがそうしたくなる気持ちが起こる。

最初は模倣でも、意識していくことで心も変わってくことができるのだと思います。
これからの人生でもまだまだ人との関係は続くと思いますので、ぜひこの本を読んでみてください。
何度読んでも気付くことがあると思います。

 

第10回 原麻里子 さん(開宅舎 兼 Co-satenスタッフ)


空き家と移住者をつなぐ開宅舎やコワーキングスペースCo-Satenなど、市原市で地域に関わる活動をしている原です。今回みなさんに紹介したい一冊は、木村秋則さんの『リンゴが教えてくれたこと』(日経ビジネス人文庫 日本経済新聞出版社)です。

 

農薬なしには栽培不可能といわれたリンゴ。試行錯誤や数々の失敗を繰り返し、無肥料・無農薬でのリンゴ栽培を成し遂げる木村さんの苦闘の物語です。失敗を重ねてこそ得られる学びや、知恵を振り絞って壁を乗り越える面白さがある。この本にはそんなメッセージがこめられています。

 

私自身も、畑をやる中でうまく野菜が育たなかったり、地域で新しいことに挑戦する際になかなか成果が出なかったりと、歯がゆい思いをすることもあります。みなさんも、多かれ少なかれそんな経験をされてきたのではないでしょうか。そのような時、木村さんのストーリーが「この失敗にこそ価値がある。もう少し頑張ってみよう。」と背中を押してくれます。

 

この「もっと前へ」な一冊が、答えのないものにチャレンジするみなさんに届きますように。

 

第9回 稲葉海幸(みさき) さん(「畑のがっこう」運営スタッフ)


「畑のがっこう」運営スタッフの稲葉です。
私が紹介する『「もっと前へ」な一冊』は、『夢をかなえるゾウ』(1)水野敬也∥著(文響社 2020)です。

一つひとつ課題を解決していく主人公と、それを応援する関西弁のガネーシャのコンビの掛け合いはとてもユニークで面白いです。

この本がきっかけで自分のペースで日々頑張れば良いことがあると気付かされ、自分の身の回りから多くのことを吸収し、できることからスタートすれば良いと考え、充実した毎日を過ごすようになりました。

また、コロナで物事をネガティブにとらえることが多かったですが、できることから頑張ってみよう!という前向きな気持ちを持ちながら行動したいと思うようになりました。
 

第8回 掘エミイ さん(市原市地域おこし協力隊)



市原市地域おこし協力隊の掘エミイです。
私の紹介したい『「もっと前へ」な一冊』は、『市原市史』(別巻)市原市教育委員会∥編集(市原市 1979)です。

地域おこし協力隊として加茂地区に移住してきて、地域の課題と向き合い、盛り上げていくには、この地域が歩んできた道を知る必要があると感じました。
『市原市史』のうち、別巻には、私が知りたかった「民俗、民話、養老川、動物、植生」といったより生活に身近なことが載っています。

地域の方々との会話で知ることももちろん多いですが、裏付けとしてこの本があることで、信頼性が高まります。
これからの地域おこしの活動においては、ここ加茂地区を担う若者たちと一緒にこれまでの歴史を学びつつ、新たなストーリーを作っていかなければいけないと思っています。

ヨガをはじめ、私の強みを活かしつつ、時には仲間と一緒になって畑で汗をかき、これから先もこの里山で笑って過ごせる日々が続くように、チャレンジを続けていきます。
この先、壁にぶち当たった時、迷った時には、この『市原市史』(別巻)を読み返して原点に立ち返りたいと思います。
 

第7回 斉藤健一 市原市教育委員会副教育長


市原市教育委員会副教育長の斉藤と申します。

私の紹介したい『「もっと前へ」な一冊』は河合隼雄さんの『こころの処方箋』(新潮文庫刊 1998)です。

心理学者であり、文化庁長官を務めたこともある著者のエッセイで、この本と出会ったのは大学生の頃。20年以上経った今でも機会があると読み返し、大きな示唆をもらっています。

なるほどなぁと思う内容が多く、項目ごとに簡潔にまとまっていて読みやすいので、是非皆様に手に取ってもらえたらうれしいです。

 

第6回 榎本真弓 市原市立中央図書館長


中央図書館館長の榎本です。日頃は、中央図書館・各読書施設をご利用いただき、ありがとうございます。
お蔭様で中央図書館は平成3年11月に開館してから、令和3年に開館30周年を迎えます。この間、元号が変わり、中央図書館の周囲も上総更級公園やショッピングセンター等のオープンと大きく変化しました。現在、中央図書館・各読書施設では、新型コロナウイルス感染症拡大防止として、様々な対策を行っています。ご利用の際は、マスクの着用や検温、体調チェック等へのご協力をお願いします。

さて、私が紹介する『「もっと前へ」な一冊』は、
『あいしてくれてありがとう』(絵本の時間 49)宮西達也∥作・絵(ポプラ社 2008)です。
私は、中央図書館勤務になるまで、しばらく絵本から遠ざかっていましたが、中央図書館のイベント「子ども読書活動推進フォーラム」の講演会講師として宮西達也先生に講演をしていただいたことがきっかけで、この絵本を読む機会を得ました。宮西先生の作品は、図書館にたくさん所蔵がありますが、どの作品も人間愛にあふれていて、先生の絵と合わせて、読み終えた後は優しい気持ちになる本ばかりでした。

この絵本は、一人ぼっちで、自分勝手でみんなに恐れられているティラノサウルスと目の見えないパウパウサウルスのお話です。目が見えないことから、パウパウサウルスが自分をパクリと食べようとしていたティラノサウルスのことを「よわむしで、なきむしで、自分と似ている」と言ったことから、お互いにかけがえのない存在になっていくという内容です。最後はホロリとする結末で、小さいお子さんは勿論のこと、大人が読んでも心に残る作品だと思いますので、『「もっと前へ」な一冊』としてお勧めします。
 

第5回 杉山千秋 看護師


私が紹介する『「もっと前へ」な一冊』は山本一力さんの『蒼龍』(文春文庫 2005)です。
深川の貧しい御夫婦が一流画家に挑戦して賞を射とめようと頑張る物語です。
応募作品は白黒の絵でしたが、第二席になり、賞金を逃します。
来年こそはと、頑張る物語です。

現在のコロナ禍では明日どうなるのか、全くわからない状態ですが、今日より明日、来年には良くなるか、この御夫婦のように努力すれば良くなっていく希望を持って、来年こそは・・・。
 

第4回 山見智子 やまみ医院院長


市原市で内科を開業しております、山見と申します。わたしの紹介する「もっと前へ」な一冊は『ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言』です。この本の著者は、”長谷川式認知症スケール”を開発された医学界では大変有名な先生です。
長年、認知症の研究・治療に貢献されました先生が、89才のころ認知症を発症し、執筆されたものです。私がこの本と出会ったきっかけは、1年前まで医院の会計的な仕事を難なくこなしていた母の認知症にどう向き合っていいのかわからず、認知症の人の気持ちがわかる本がないかと探していたからです。認知症の方の笑顔をひきだし、どうすれば勇気づけられるのかという、家族としての向き合い方を教えてくれる一冊だと思います。
(書誌情報)
『ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言』長谷川和夫∥著・猪熊律子∥著(KADOKAWA 2019.12)https://www.kadokawa.co.jp/product/321906000708/
 (外部サイト:出版社ウェブサイト)
 

第2回 林充 市原市教育委員会教育長


市原市教育委員会教育長の林充です。
私が皆さんに紹介する『「もっと前へ」な一冊』は、相田みつをさんの『にんげんだもの』(文化出版局 1984.4)です。この本の中には、相田みつをさんから私たちに贈られた「心の言葉」がたくさん込められています。
心のそこからうれしいとき、ひとりぼっちでつらいとき、なみだをこらえてかなしみにたえるとき・・・
そんなときに、とても励まされ、元気をいっぱいもらえます!


 

第1回 小出譲治 市原市長



市原市長の小出譲治です。

私が紹介する『「もっと前へ」な一冊』は、『更級日記 日記に綴られた平安少女の旅と物語への憧れ』濱野 京子∥著 佐竹 美保∥絵(岩崎書店 2016.3 ストーリーで楽しむ日本の古典 12)です。


この本は、市原市に転校してきた少学6年生の女の子が、五井駅前の菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)像を見て「誰だろう?」不思議に思い、中央図書館のレファレンスカウンターで訊いてみるところから始まります。
図書館で出会った女性に、有名な日記文学の「更級日記」について教えてもらいながら物語は進んでいきます。

「更級日記」は、菅原孝標女が上総国から京の都への旅立ちの場面から始まりますが、孝標女は少女時代を、ここ市原市で過ごしていたというご縁があります。
「更級日記」を初めて読むと、私たちが日常使っている言葉とは違う言葉遣いで書かれているので、難しく感じるかもしれません。
この本は、小学生でも読みやすいように物語仕立てで書かれています。
子どもから大人まで楽しんでいただけると思います。

今年は、菅原孝標女が市原市、かつての上総国から京へ旅立ってちょうど千年の節目の年です。市原市では、この節目を記念して「更級日記千年紀文学賞」を創設します。
菅原孝標女は昼夜を問わずに源氏物語を読みふけったという大変な文学少女でありました。
文学を通じて皆さんに新たな発見や、市原市への誇りと愛着が生まれることを期待しています。
まずは「更級日記」がどのような本か、とても読みやすい『更級日記 日記に綴られた平安少女の旅と物語への憧れ』を、私の「もっと前へ」の一冊としておすすめいたします。
秋の夜長に是非、お読みください。